特集 エコー 診療マニュアル
胎児
36.孔脳症
今井 史郎
1
,
中山 雅弘
2
Shiro Imai
1
,
Masahiro Nakayama
2
1大阪府立母子保健総合医療センター産科
2大阪府立母子保健総合医療センター病理
pp.1442-1443
発行日 1991年12月10日
Published Date 1991/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409905001
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孔脳症の頭部超音波像(図1)
妊娠31週の胎児頭部横断像であるが児頭大横径の大きさはほぼ週数相当であったが,推定児体重はIUGRであった。羊水は多め。頭蓋骨はやや変形し,頭蓋内では後頭部を主として単房性の嚢胞性病変を認め,その外側には大脳実質の存在もうかがえる。この写真には認められないが小脳の低形成も疑われた。妊娠33週1,526グラムで出生した。単一臍動脈,両小指節欠損,左耳低形成,硬口蓋裂があった。生後2日に呼吸不全にて死亡し,剖検結果から脳梁欠損,透明中隔欠損,心奇形(大動脈縮窄,心房欠損,心室欠損など)も確認された。(大阪厚生年金病院,高木哲先生の御好意による)
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