薬の臨床
子宮筋腫に対するブセレリン療法の試み
福間 啓造
1
,
松尾 勇
1
,
大場 隆
1
,
岡村 均
1
Keizo Fukuma
1
1熊本大学医学部産科婦人科学教室
pp.869-872
発行日 1988年9月10日
Published Date 1988/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207869
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子宮筋腫を有する9人の婦人にブセレリンを経鼻的に1日900μg,月経周期2—5日目から原則として4カ月間投与した。子宮体積は投与前383.8±46.8cm3から4カ月後194.0±35.3cm3と50.7%の縮小を認めた。血中E2は投与1ヵ月目に一過性に上昇したが,その後は投与開始時のレベルに抑制された。副作用はhot flush,不正性器出血,肝機能低下が1例ずつ見られたがいずれも軽微であった。ブセレリンは子宮筋腫に対する縮小効果が著明であり,かつ副作用が少なく長期投与が可能であり,閉経に近づきつつある婦人では手術療法を回避できる可能性を有する薬剤と考えられる。
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