生涯研修セミナー PCO
成因と病態
森 崇英
1
,
泰井 俊造
1
Takahide Mori
1
,
Shunzo Taii
1
1京都大学医学部婦人科学産科学教室
pp.836-839
発行日 1988年9月10日
Published Date 1988/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207863
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多嚢胞卵巣症候群(PCOS)は無排卵症の中でも代表的なものであり,不妊症の原因疾患の一つとしても重要である。しかしながら症候群としての概念が始めて確立されたのは必ずしも古くなく(Stein & Leventhal,1935年)1),その成因も今なお不明と言わざるを得ない。
後述するように本症は,病態学的な多様性のために,その概念規定自体に混乱を生じたことがあり,それが本症の理解をさらに複雑にした面がある。著者は以前よりPCOSの概念規定を整理することが本症の成因,診断基準さらには治療方針を決定する上で重要と考え,著者なりの見解を明らかにしてきた2-4)。本稿ではそれらに基づき本症の病態と成因について解説を加えたい。
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