今月の主題 糖尿病 1993
糖尿病の病態と成因
IDDMの病態と成因
花房 俊昭
1
1大阪大学医学部第2内科
pp.1405-1407
発行日 1993年8月10日
Published Date 1993/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902207
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
●IDDMは,生命の維持にインスリン治療が必須の糖尿病で,その本態は膵β細胞傷害に基づくインスリン分泌の絶対的不足である.
●通常,発症は急激であるが,膵島病変は発症の数年以上前から開始していると考えられる.
●病理学的に,膵島炎がしばしば認められる.
●IDDMは,遺伝(HLAなど)・環境(ウイルスなど)の両因子の関与のもと,自己免疫機序を基盤として膵β細胞が傷害され発症する.
●自己免疫機序として,細胞傷害性Tリンパ球の関与が考えられる.膵島抗体(ICA)はIDDMのよいマーカーである.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.