今月の臨床 病態生理の最前線—臨床へのフィードバック
胎児・新生児
18.IUGRの成因と病態
岸本 廉夫
1
,
多田 克彦
1
,
工藤 尚文
1
1岡山大学医学部産婦人科
pp.493-500
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902100
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●はじめに
子宮内発育遅延(IUGR)は胎児の発育が子宮内で抑制された状態を総称する症候群である.臨床的には超音波断層検査により胎児体重を推定し,仁志田らの胎児発育曲線でその胎齢における平均体重の−1.5SD以下の場合をIUGRと診断している.したがって形態的な診断自体は比較的容易であるが,その成因は多岐にわたり,病態や胎児機能の的確な把握と適切な管理は,数々の多面的なアプローチが行われているものの,いまだ困難と言わざるを得ない.本稿ではIUGRの病因と病態について述べる.
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