特集 腫瘍免疫療法の試み
BRM局所投与と局所細胞性免疫能の変動
白木 信一郎
1
,
脇田 勝次
1
,
森 秀弘
1
,
山田 新尚
1
,
玉舎 輝彦
1
Shinichiro Shiraki
1
1岐阜大学医学部産科婦人科学教室
pp.631-637
発行日 1988年7月10日
Published Date 1988/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207823
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癌に対するエフェクター機構の解明と共に,その免疫学的理論を臨床の場に応用せんとするいわゆる癌免疫療法が注目され,手術療法,放射線療法,化学療法に続く第4の療法として期待を集めるようになってから既に永きに渉っている。しかしその成果は不本意なものと言わざるを得ず,解決すべき問題も多く残されている。
周知の如く人癌においては,T細胞,マクロファージ,NK細胞,LAK細胞等免疫担当細胞から,さらにはこれらが産生するリンホカインやサイトカィン等まで,その生体防御反応を担う多くの因子が明らかにされてきた。そこで従来からの免疫賦活剤のみでなく,エフェクター細胞やサイトカインその他の免疫調節因子を含めて,宿主における抗腫瘍性を高める物質やその試みを総括してBRM (Biological Response Modifiers)と呼称するようになり,この概念も近年急速に普及してきている。
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