今月の主題 癌治療の最前線
トピックス
Biological Response Modifiers(BRM)の概念
塚越 茂
1
Shigeru Tsukagoshi
1
1癌研究会癌化学療法センター・基礎部
pp.1036-1037
発行日 1982年6月10日
Published Date 1982/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217795
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癌の治療は外科,放射線それに抗癌剤による治療法が中心となっているが,それらはいずれも癌を選択的に除去しようとする最終目標のもとに実施されている.しかし,いずれの治療法もいまだ完全なものではなく,正常組織も腫瘍組織とともに多かれ少なかれ障害を受けるのが実情であろう.したがって治療を受ける側の患者は,良好な結果を望むならば,その治療によるマイナスの影響をも同時に受けることになる.すなわち,いずれの治療法も効果と副作用の比で評価されねばならない.
これまで,担癌患者にはもともと癌に対する固有の抵抗性のあることも報告されてきている.そしてほとんどの場合これは免疫学の表現をもって示されてきた.腫瘍細胞はその表面に腫瘍特異抗原があることが報告されており,この抗原刺激に対し宿主は免疫応答を示すこともわかってきた.したがってこのような免疫応答を増強することにより治療効果を期待する試みが広く行われるようになってきている.
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