特集 第1部 最近の眼科薬物治療 Ⅶ.神経眼科疾患
6 斜視に対する局所薬剤投与
木村 亜紀子
1
1兵庫医科大学眼科学教室
キーワード:
ボツリヌス毒素
,
斜視
Keyword:
ボツリヌス毒素
,
斜視
pp.1185-1190
発行日 2019年9月30日
Published Date 2019/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001383
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2015年,A型ボツリヌス毒素(BTX-A)が12歳以上のすべての斜視に適応になった。しかし,実際の投与には,眼科専門医であることに加え,斜視に対するボツリヌス注射の講習会を受けた証明書がなければ投与の資格が得られないため(眼瞼痙攣,顔面痙攣とは異なる講習),実際には2016年から徐々に始まり,現在では積極的に行っている施設が増えてきた。海外では乳児内斜視など年齢に関係なく用いられており,その有用性が示されている1)が,わが国では乳児内斜視に対して用いることはできない。BTX-Aは現在,共同性,非共同性斜視に対し弱化手術の代替として,また,斜視手術の術中に使用し,後転術の効果の増強を目的として用いられている。最近では,BTX-Aの効果が著効するケースが明らかにされつつあり,本稿で紹介したい。
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