症例
Gabexate mesilate (FOY)が奏効したDIC合併,常位胎盤早期剥離の1例—とくにキニンカリクレインに関連して
曽我 賢次
1
,
真木 正博
1
Kenji Soga
1
,
Masahiro Maki
1
1秋田大学医学部産婦人科学教室
pp.583-588
発行日 1988年6月10日
Published Date 1988/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207815
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ブラジキニンは薬理作用として血管透過性亢進作用や末梢血管拡張作用などがあり,ショック助長因子として働く。ブラジキニンは血漿カリクレインが高分子キニノゲンに作用したり,腺性カリクレインが高分子キニノゲンまたは低分子キニノゲンに作用することで生ずる。
今回,常位胎盤早期剥離を基礎疾患としたDICについて,キニン系の変動を検索したところ,発症時にキニン系の亢進をみとめ,キニン系の阻害薬でもあるGabexate mesilateで救命効果を認めたので報告する。
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