今月の主題 高血圧の問題点と最近の治療
高血圧の病態
カリクレイン・キニン系と高血圧
阿部 圭志
1
1東北大第2内科
pp.1363-1365
発行日 1977年10月10日
Published Date 1977/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207390
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はじめに
生体で昇圧物質であるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン(RAA)系やカテコラミンの産生が増加する場合には高血圧が現れることが明らかにされているが,減圧物質であるカリクレイン・キニン(KK)系やプロスタグランディンなどの産生が低下する場合にも高血圧が現れるのではないかと考えられる.
最近,本態性高血圧症患者で腎カリクレインの産生が減少していることが明らかにされ1,2),本症の成因の1つに腎性減圧系の機能低下が関与しているのではないかと考えられている.一方,原発性アルドステロン症では,腎カリクレインの産生が増加していることも明らかにされ,アルドステロンとカリクレインの関係が注目されている.本稿では主に腎で産生されるKK系と高血圧の病態生理につき,筆者らの知見2,3,5,6)を示しながら解説する.
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