今月の臨床 産科出血―診断・治療のポイント
常位胎盤早期剥離
潮田 まり子
1
,
潮田 至央
1
,
石田 剛
1
,
宋 美玄
1
,
中村 隆文
1
,
下屋 浩一郎
1
1川崎医科大学産婦人科
pp.44-47
発行日 2009年1月10日
Published Date 2009/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101939
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はじめに
Obstetrics is “bloody business”といわれるように,周産期医療から出血を切り離すことはできない.また同時に周産期死亡率を大きく左右しているのも出血である.出血が原因の母体死亡例の19%が常位胎盤早期剥離(以下,“早剥”と略す)によるものであり1),早剥は産科DICの原因の約50%を占めるといわれる.近年の周産期管理の向上に伴い,早剥による周産期死亡率は低下傾向にあるといわれているが,いまだ診断や管理が困難である疾患の1つであり,子宮破裂や弛緩出血とならび母体死亡の最大の原因の1つである.
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