生涯研修セミナー 不妊症
排卵障害への対応
岡村 均
1
,
松浦 講平
1
Hitoshi Okamura
1
,
Kohei Matsuura
1
1熊本大学医学部産科婦人科学教室
pp.547-551
発行日 1988年6月10日
Published Date 1988/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207804
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不妊症の観点から,その原因としての排卵障害を解釈してみると,卵巣内に原始卵胞が存在するにも拘わらず卵胞の発育が起こらず成熟卵胞が得られない場合,原始卵胞が排卵前卵胞まで成熟しても下垂体からtimelyなmidcycle LH surgeが起こらないために排卵が誘起されない場合,さらにLH surge後に卵胞の破裂が誘起されない(luteinized unruptured follicle,LUF)かあるいは卵胞頂部の破裂が起こっても卵胞壁からの卵丘遊離・卵放出が起こらない(ovum retention syndrome)場合1)に分けて考える必要があろう。また黄体機能不全も広義の排卵障害と考えるべきであろう。その対応としては,少なくとも男性不妊因子と卵管子宮性不妊因子を検討した上で,血中尿中の各種ホルモン測定とともに超音波断層法や腹腔鏡を用いて各病態に対する充分な検索を行った上でその原因に対応した治療を行えばよい。
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