講座 実地医家のための不妊症治療講座・10
無排卵症の排卵誘発
青野 敏博
1
Toshihiro Aono
1
1徳島大学医学部産科婦人科学教室
pp.674-678
発行日 1987年10月10日
Published Date 1987/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208169
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排卵障害は不妊の原因の15〜25%を占め,日常よく遭遇する疾患である。排卵は間脳—下垂体—卵巣系の円滑な活動により営まれているので,この系のどこかに異常が起きると容易に無排卵となる。したがって,治療に先だつて原因の存在部位を明らかにし,それに適合した治療法を選択することが大切である。本症は適切な治療を施せば,排卵率,妊娠率は高く,不妊原因の中ではもっとも治療しやすい疾患といえる。
本稿ではまず排卵障害の原因疾患とその鑑別診断について簡単に述べ,次いで各種排卵誘発法の使い方の実際と,その成績について解説したい。
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