生涯研修セミナー 不妊症
卵管異常の診断と対策
長田 尚夫
1
,
山田 祐士
1
,
赤嶺 和成
1
,
津端 捷夫
1
,
高木 繁夫
1
Hisao Osada
1
1日本大学医学部産科婦人科学教室
pp.552-557
発行日 1988年6月10日
Published Date 1988/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207805
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近年,内視鏡や超音波断層診断装置など新しい診療機器の臨床応用によって子宮,卵管ならびに卵巣を取り巻く器質性不妊の正確な診断が可能となった。一方,不妊治療にも手術用顕微鏡下に卵管の疎通性や骨盤内の癒着を剥離し,その妊孕性の回復を計るマイクロサージェリー(MS)による卵管形成術や体外受精による胚移植法(IVF & ET),受精卵の卵管内移植(GIFT)法が開発されたことによって不妊症治療の考え方にも大きな変革がみられる。この卵管性不妊の初期診断には,一般に通気,通水,子宮卵管造影法(HSG)などの卵管疎通検査が用いられているが,しかし,その診断にはFalse positiveの症例も多く存在することが指摘され,その最終診断には慎重さが求められる1)。一般的な卵管の疎通検査法については,既に成書をはじめ多くの雑誌でしばしば述べられているので,ここでは我々が行っている卵管異常の診断とその対策を中心に紹介する。
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