グラフ 乳房診断
III. 外来でのエコー
泉雄 勝
1
,
横江 隆夫
1
Masaru Izuo
1
,
Takao Yokoe
1
1群馬大学医学部第2外科学教室
pp.200-203
発行日 1988年3月10日
Published Date 1988/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207744
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乳腺疾患の診断には,今日mammographyとともに超音波検査は広く行われ,外来で手軽に行える非侵襲検査である。最近は探触子の周波数が5MHzから7.5MHzとなって分解能は向上し,病変の詳細な点まで画像化されるようになった。超音波検査の特徴は,X線における透過像と異なり,周辺乳腺の状況にあまり左右されず,病変自体の組織構造を描出できるところにある。
乳房の病変でみられる超音波像は,大きく分けて,高エコー域としてみられる陽性像と,低エコー域を示す中空像とがある。陽性像を示すものとしては,乳腺症,脂肪腫,脂肪壊死,肉芽腫,石灰化,管内伸展性の乳癌,galactoceleで内容が濃縮されチーズ様になったものなどがある。中空像を示すものには,癌,線維腺腫,葉状腫瘍,嚢胞があり,腫瘤として触れるものの大部分はこの中空像(腫瘤像)としてみられることが多い。
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