生涯研修セミナー 子宮内膜症
Overview
子宮内膜症診療の問題点
杉本 修
1
Osamu Sugimoto
1
1大阪医科大学産科婦人科学教室
pp.52-55
発行日 1988年1月10日
Published Date 1988/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207718
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文明病のひとつといわれている子宮内膜症がわが国でも確実に増加してきている。本症は性成熟期婦人にのみ発生し,主として月経困難,月経時以外の疼痛,不妊を伴うことが多いが,病態の多様性,診断や治療の難しさなどのため臨床的に問題の多い疾患である。とりわけ本症と不妊との因果関係はなお不明な点が多く,妊孕能回復のための治療の目標をどこにおくか,治療の限界はどこにあるか,同時に存在する疼痛症状にどのように対処するかなどの問題を十分に検討する必要がある。昭和62年度から日産婦学会で「子宮内膜症問題委員会」が設置され,わが国の実状に則した臨床診断基準の設定,合理的な治療法,とくに保存療法の確立,これに伴う重症度(臨床進行期)分類の設定,用語の統一などが検討されることになった。これらについての問題点を順を追って提起したいと思う。
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