明日への展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 子宮
Ⅱ.内膜
子宮内膜癌の治療とその問題点
山辺 徹
1
,
中島 久良
1
Tooru Yamabe
1
,
Hisayoshi Nakajima
1
1長崎大学医学部産婦人科学教室
pp.519-522
発行日 1984年6月10日
Published Date 1984/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207015
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最近,わが国においても子宮内膜癌の増加傾向が認められているが,今後さらに環境因子の変化や高齢者の増加などに伴って,その傾向は助長されるものと思われる。内膜癌の治療法に関しては,欧米でも,手術と放射線療法のいずれに主体をおくものもあり,しかも一定した方式は示されていない。しかしながら,手術可能例であれば,一般に手術を行った方が放射線療法よりも優れているというものが多い。FIGO癌委員会のAnnualReport3)をみても,手術に比べて放射線療法は治癒率の低いことが指摘できる。これらの治療に加えて,化学療法,免疫療法あるいはホルモン療法なども併用されることがある。
治療に際しては,内膜癌の蔓延形式や生物学的態度をよく心得ておく必要がある。本稿では,そのために必要な基本的事項とそれに伴う治療法に関する基準および問題点について概説する。
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