特集 図でみる病態産婦人科学--適正治療のために
腫瘍
子宮内膜症
杉本 修
1
Osamu Sugimoto
1
1大阪医科大学産科学婦人科学教室
pp.465-475
発行日 1985年6月10日
Published Date 1985/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207196
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子宮内膜症はRokitansky (1860)によって初めて記載され,かなり古くから知られていた婦人科疾患である。最近とみに注目されるようになったのは,①診断技術が向上したばかりでなく発生頻度が非常に高くなってきた,②不妊との関連が追求されるようになった,③ホルモン療法の開発や,保存手術療法の工夫によって保存治療成績が向上してきた,などの理由によるものである。しかし本症がenigmatic diseaseとかbenign cancerとか得体のはっきりない名称がつけられているように,その発生機序や不妊との関連などについてまだまだ不明な点が多く,なお幾多の問題を残している疾患であるといえる。
本稿では最近とりあげられているいろいろな疑問点,とくに病態生理からみた本症の特性をとりあげ,さらに新しい治療法の動向を探ってみようと思う。
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