境界領域の再評価とその展開 特集
乳房と乳腺
乳癌診断と婦人科医の役割
高橋 輝雄
1,2
Teruo Takahashi
1,2
1医療法人厚仁会高橋病院
2慶応義塾大学医学部
pp.101-102
発行日 1987年2月10日
Published Date 1987/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207540
- 有料閲覧
- 文献概要
61年10月発表の厚生省健康マップで周知された如く,従来諸氏により予測されて来た日本女性における乳癌罹患率の上昇は,医療従事者のみにとどまらず,日本女性の癌に対する重大な関心事となって来た。国立ガンセンター平山等による乳癌の人口10万対訂正死亡率に予測された同数値の逆転,すなわち子宮癌での死亡率が乳癌のそれとクロスして下まわる時期は1980年代中頃とされていたものが適中し,確実に,間違いなく乳癌の脅威は増大し,その対策に関心が高まって来た。(図)
乳癌の疫学としては主に初産年齢の高齢化,特に35歳以上の初産婦では20歳未満初産の3,6倍値を示している。また出生児数の少ない人ほど乳癌の危険は多くなる。
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.