臨床メモ
薬剤による子宮筋腫の治療
貝原 学
1
1帝京大学市原病院産婦人科
pp.82
発行日 1987年2月10日
Published Date 1987/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207535
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子宮筋腫に対する現在迄の治療法は専ら外科的方法,即ち筋腫核出術や子宮全剔出術にかぎられていた。最近,薬物を用いて子宮筋腫の治療を試み,好成績が得られたという報告がいくつか発表されているのでご紹介したい。
Filicoriら1)は,Luteinizing hor—mone-releasing hormoneアナログ(LH・RHアナログ)であるD—Trp6—Pro9—NEt-LHRHを25歳の子宮筋腫の患者に15週間に亘って連日皮下注射した。治療前には月経過多とそれに基づく貧血が著明であったが,注射をはじめて8週後には月経は消失し,貧血は徐々に改善した。また,治療開始前には,子宮の後壁に7×7×6cmの大きさの子宮筋腫が存在したが,治療開始後12週目には4×4×4cm大に縮小したと報告している。
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