今月の主題 内科医のための他科疾患プライマリ・ケア
産婦人科
子宮筋腫
鈴木 秋悦
1
,
遠藤 芳広
1
1慶応義塾大学医学部・産婦人科学教室
pp.830-831
発行日 1989年5月10日
Published Date 1989/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222464
- 有料閲覧
- 文献概要
●概説
子宮筋腫は子宮筋層の平滑筋細胞に由来する良性腫瘍であり,女性性殖器に発生する腫瘍のなかで最も頻度が高いといわれている.月経発来以前にはほとんどみられず,性成熟期にその頻度は増加し,30歳以上では約20%に認められる.更年期,特に閉経後では子宮筋腫は増大せず,むしろ縮小あるいは消失する場合が多い.
子宮筋腫の発生要因として年齢,内分泌異常,肥満体質および遺伝などが考えられているが,内分泌異常の関与が重要視されている.卵巣性ステロイドホルモンのなかでエストロゲンの分泌過多あるいは過剰刺激が子宮筋腫の発生発育と密接な関係にあることは明らかであるが,他の性ステロイドホルモンの分泌平衡失調も影響していると考えられている.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.