講座 実地医家のためのホルモン講座
ホルモン療法の実際・12
不妊症と不育症
矢追 良正
1
,
高見沢 実
1
,
高橋 一久
1
,
林 雅敏
1
,
鎌田 周作
1
,
三ツ矢 和弘
1
,
加藤 晴美
1
,
星野 恵子
1
,
大蔵 健義
1
,
熊坂 高弘
1
,
久保田 俊郎
2
,
生山 博
2
,
木戸 豊
2
,
下地 祥隆
2
,
帝威 安遜
2
,
斎藤 幹
2
Yoshimasa Yaoi
1
,
Toshiro Kubota
2
1獨協医科大学越谷病院産婦人科
2東京医科歯科大学産婦人科
pp.924-933
発行日 1986年12月10日
Published Date 1986/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207508
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「健康な生児を分娩して始めて不妊症の治療が成功したと言える」とすれば,受精あるいは受精卵の着床下能な状態である狭義の不妊症(sterility)と,妊娠はしても流早死産に至る生児を分娩し得ない状態である不育症(infertility)とを共に含めて不妊症と考えるべきである。原因にしても,器質的変化のある器質的不妊(organic)機能的障害による機能的不妊(functional)と,現在の検査法では原因の認められない説明不可能な不妊(idio—pathic, unexplained infertility)とがある1)。近年の不妊症治療に於ける華々しい成果は,生殖生理学,生殖内分泌学の正しいことを裏付け,更に進歩させたといえる。今回不妊症,不育症のホルモン治療の実際と適応,その副作用と対策についての最近の進歩,話題を自験例を含めて概説する。
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