今月の臨床 抗癌剤
副作用軽減法
21.消化器系の副作用
林 雅敏
1
,
矢追 良正
1
Masatoshi Hayashi
1
,
Yoshimasa Yaoi
1
1獨協医科大学越谷病院産科婦人科
pp.1224-1225
発行日 1992年10月10日
Published Date 1992/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901042
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婦人科領域での化学療法はcisplatinの導入以来,著しい進歩を遂げた。cisplatinの腎毒性はdose-limiting factorであったが,大量輸液療法の施行,carboplatinの導入により,改善しつつある。またG-CSF,M-CSFの開発導入により,抗癌剤の骨髄抑制の副作用に対しても良好な治療効果が認められている。副作用によって患者が受ける肉体的・精神的苦痛度は1位が嘔吐,2位が悪心,3位が脱毛の順である1)。今後さらに,患者のqualityof lifeを重要視することが,医師にとって必要不可欠の課題になると考えられ,その意味で消化器系の副作用である悪心・嘔吐に対する有効な対策を講じることは医師の責務であると言える。
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