先進医療—日常診療へのアドバイス 特集
婦人科癌の化学療法
疾患別プログラミングとプラクティス
作用機序の面からみた制癌剤コンビネーション
高見沢 裕吉
1
,
松井 英雄
1
Hirokichi Takamizawa
1
,
Hideo Matsui
1
1千葉大学医学部産科婦人科教室
pp.837-840
発行日 1986年11月10日
Published Date 1986/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207488
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癌化学療法は従来,手術施行不能症例や放射線療法に感受性の悪い疾患に対し,補助的延命効果を目的として行われてきたにすぎなかったが,抗癌剤の進歩や多剤併用療法の施行により,特に絨毛癌,最近では卵巣癌においてもfirst choiceとして用いられるようになってきた1,2)。しかし,抗癌剤は癌組織にのみ特異的に作用するものではなく,正常組織にも作用し,時には致命的となる副作用が出現する3)こともあり,耐性問題も含めその限界がみられる。
今回,婦人科領域で頻用されている抗癌剤の作用機序や副作用について述べ,多剤併用療法を行う際に考慮しなければならない細胞動態についても若干触れることとする。
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