グラフ 目でみる胎盤の診断学・11
周産期感染症と胎盤所見
中山 雅弘
1
Masahiro Nakayama
1
1大阪府立母子保健総合医療センター病理
pp.790-791
発行日 1986年11月10日
Published Date 1986/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207474
- 有料閲覧
- 文献概要
胎盤の病理で最も重要な疾患は感染症である。胎内における感染の経路として血行性にくるタイプと上行性にくるタイプがある。血行性感染で最もよくみられるタイプはウイルスによるものであるが,細菌群では梅毒,リステリア等が知られている。血行性感染は絨毛に炎症がみられる。
典型的な絨毛炎では,リンパ球様の小円形細胞の浸潤が認められる。絨毛炎が非常に高度のときには,どの標本上にもみられるが局所的のことも多く,従って絨毛炎即ち胎内での血行性多感染症が予測されるときはできるだけ胎盤実質より多くの標本を作ることが必要になる。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.