ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 先天異常--最近の診断と管理
治療法の選択
杉山 幸八郎
1
,
和田 義郎
1
Kohachiro Sugiyama
1
,
Yoshiro Wada
1
1名古屋市立大学医学部小児科学教室
pp.939-943
発行日 1985年12月10日
Published Date 1985/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207293
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先天異常ではしばしば重篤な心身障害をきたすが,その原因の多くは遺伝病で,根本的な治療法はない。それゆえ治療は症状発現の予防あるいは軽減を目的に行われるが,今日種々の治療法の開発あるいは改良がなされ,かなりの治療効果が期待できる疾患の種類は増加してきている。とくに先天代謝異常症においては蛋白質レベルの解析に加え,急速な遺伝子操作技術の発展によりDNAレベルでの解析が行われるに至り,根本的治療としてその成果が臨床応用される可能性を示唆する段階にまで至っている。
このような著しい展開を認めている先天代謝異常症において,新生児期に要求される治療の現状とその問題点について記す。
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