特集 症状からつかむ私の治療指針
婦人科
無排卵
高木 繁夫
1
,
岡田 秀彦
1
1日大産婦人科
pp.881-883
発行日 1973年11月10日
Published Date 1973/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204899
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無排卵とは卵胞の成熟の有無に関係なく排卵障害をみるものであり,思春期以降の婦人においてはこれをみることは必ずしも稀でない。いうまでもなく女性の月経周期はその中心に排卵があり,間脳下垂体,卵巣系を主軸とするintegrated functionにより営まれるものである。すなわち成熟婦人においては間脳より分泌されるgonadotropin releasing hormoneは門脈系を通つて下垂体前葉を周期的に刺激し,Follicle StimulatingHormone,Luteinizing Hormone (以下FSH,LHと略す),prolactinなどを分泌し,それぞれ標的器管である卵巣に働きestrogen,progesteroneを産生する一方,間脳—下垂体に逆作用をもたらし,直接または間接に排卵機序に与かるとされている。その他,下垂体副腎系,下垂体甲状腺系の影響も否定しえない。たとえば,FSHやLHによつてestrogen産生が一過性に高まると,positive feed backによつてLH surgeが起こり,それが排卵をうながすという中枢的mechanismはある程度解明されてきている。
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