ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 無排卵症
Topics
LH-RHの律動的投与による排卵誘発
田坂 慶一
1
,
大塚 志郎
1
,
三宅 侃
1
,
青野 敏博
1
Keiichi Tasaka
1
1大阪大学医学部産婦人科教室
pp.737-740
発行日 1985年9月10日
Published Date 1985/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207245
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不妊症の約20%を占める無排卵症の治療はクロミッド療法,HMG-HCG療法,さらにはブロモクリプチン療法等により排卵率・妊娠率の向上がみられた。特にHMG-HCG療法の普及は画期的な治療成績をもたらしたが,卵巣過剰刺激候群や多胎妊娠の発生が問題となってきている。これらは複数の卵胞が同時に発育するために起こるとされているが1,2),NMGの投与量,投与方法の工夫,さらに他剤との併用によっても単一の卵胞を発育させるようコントロールする有効な手段はみつかっていない。一方,正常月経周期におけるLH分泌はLH-RHの律動性分泌によりコントロールされていることが明らかにされ5,14),卵胞発育における生理的意義が注目されていたが,近年時間毎に少量の薬物を投与できる小型ポンプが開発され,LH-RHの律動的投与による排卵誘発が可能となった6,8〜10)。今回われわれも上記方法による排卵誘発を試み,排卵前後の卵巣の各パラメーターにつき検討を加えた。
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