ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 無排卵症
GnRHおよびhMGの律動的投与による排卵誘発法
正岡 薫
1
,
熊坂 高弘
1
Kaoru Masaoka
1
,
Takahiro Kumasaka
1
1獨協医科大学産科婦人科学教室
pp.717-724
発行日 1985年9月10日
Published Date 1985/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207242
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卵胞成熟,排卵を調節するgonadotropin (Gn)の分泌には多くの種属において一定のリズムがあり,ヒトでは1〜2時間周期の律動性(pulsalility)をもっていることが以前より知られていたり。1)近年,このGn分泌の律動性は視床下部から下垂体門脈中へ放出されるgonado—tropin-releasing hormone (GnRH)の律動的分泌を反映したものであること2,3)や,Gn分泌の維持にとってこのGnRHの律動的刺激が必須の条件であること4)などの事実が明らかとなった。したがって,GnRHを1〜2時間おきに律動的に投与し,内因性Gn分泌を刺激して排卵誘発を行う方法が最近注目されている5〜8)。
一方,外因性Gn療法についても最近では,内因性Gnの分泌パターンに近似させた律動的なhMG投与が行われ,従来の方法より有効であるという報告9〜11)がみられる。本稿ではこれらGnRHあるいはhMGの律動的投与法について当教室におけるデータを紹介し,概説してみたい。
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