明日への展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 性機能と中枢--その生理と異常
LH-RH分泌をめぐって
三宅 侃
1
,
田坂 慶一
1
,
大塚 志郎
1
,
吉本 泰弘
1
,
川村 泰弘
1
,
青野 敏博
1
Akira Miyake
1
1大阪大学医学部産婦人科学教室
pp.695-699
発行日 1984年9月10日
Published Date 1984/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207050
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1971年Schallyら1)によってブタのluteinizing hor—mone-releasing hormone (LH-RH)の一次構造が明らかにされて以来,その臨床的応用としてゴナドトロピン分泌異常の診断にLH-RH試験が広く用いられているが,さらに最近ではLH-RHの律動的投与による排卵誘発法も試みられるようになってきた。一方,LH-RHの合成,分泌機構の解明は,LH-RHの測定の困難さと視床下部という実験上の制約のために遅れていたが,近年LH-RHのラジオイムノアッセイが確立され,ヒトや動物における種々な条件下でのLH-RH分泌動態が次第に明らかにされてきた。本稿ではLH-RH分泌についての現在までの知見を整理し,さらにそれらから考察できるLH-RHの分泌調節機序についても述べる。
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