今月の臨床 多胎—いま何が問題か
予防
4.ゴナドトロピン療法で多胎は予防できるか?—hMG律動的皮下投与
中村 幸雄
1
,
吉村 泰典
1
,
神野 正雄
1
1杏林大学医学部産婦人科
pp.1452-1454
発行日 1994年12月10日
Published Date 1994/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901977
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
hMG-hCG排卵誘発発症例の多胎妊娠発生率
日本における自然妊娠に見られる多胎妊娠発生率が0.6%前後に対して,排卵誘発症例とくにhMG-hCG療法の多胎妊娠発生率の高いことは,周知の事実である.文献的に考察すると,わが国では著者らのhMG-hCG療法妊娠例の多胎妊娠発生率は,62例中15例(24.2%,双胎10例,三(品)胎5例),平野らは,115例中27例(23.5%),倉智らは,1983年の全国調査では454例中93例(20.5%,双胎59例,三胎20例,四胎8例,五胎5例,六胎1例)と報告している.
外国では,Spadoni et al(1974)は26例中8例(30.8%,双胎7例,三胎1例),Ellis et al(1975)は38例中12例(51.6%,双胎8例,三胎3例,四胎1例),Capsi et al(1976)は112例中30例(26.8%,双胎21例,三胎5例,四胎3例,六胎1例),Oelsner et al(1976)は,209例中68例(32.5%,双胎53例,三胎11例,四胎3例,六胎1例)と高い多胎発生率を示している.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.