ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 無排卵症
ゴナドトロピンによる排卵誘発法—HMG療法の問題点
石丸 忠之
1
,
山下 隆則
1
Tadayuki Ishimaru
1
,
Takanori Yamashita
1
1長崎大学医学部産科婦人科学教室
pp.725-733
発行日 1985年9月10日
Published Date 1985/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207243
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最近,Gn-RH pulsation療法が注目され,副作用防止の面から,その有用性が高く評価されている1-4)。しかし,Gn-RHは下垂体を刺激し,内因性のgonadotro—pinを分泌させる方法であるから,下垂体性無月経にはほとんど効果がない。また高価な注入装置を必要とし,さらに患者の日常生活が制限されるなどの欠点を有している。したがって,全面的にHMG療法に代わる方法とはいい難いところから,HMG療法の評価は依然として高いものと思われる。しかし,HMGは性腺への刺激が強力であるため,多発排卵や卵巣過剰刺激症候群ovarian hyperstimulation syndrome (OHSS)などの副作用発生も少なくなく,問題となっている。そこで本稿では,HMG療法の問題点について私どもの研究成績を中心に概説する。
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