ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 Fetal Surveillance--その臨床的対応
Topics
IUGRと胎児腎機能
山口 善行
1
,
下川 浩
1
,
中野 仁雄
1
Yoshiyuki Yamaguchi
1
1九州大学医学部婦人科産科学教室
pp.256-258
発行日 1985年4月10日
Published Date 1985/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207155
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子宮内胎児発育遅延(Intrauterine Growth Retarda—tion:IUGR)は,種々の要因によってひきおこされる病態を含んでおり,胎児に反映される観測可能な現象のうち「小さい」という共通項でくくることのできる症候群と考えられる。成長の遅延や停止を呈するこれらの胎児は一方では,諸臓器機能の成熟にも問題を有している可能性があり,その評価を行うことはIUGRの病態の解明はもちろんのこと,胎児の個別化管理をおこなううえで臨床上大きな意義を有している。本稿では,自験例をもとに胎児の腎機能に焦点を絞り,腎の尿産生能という観点から,IUGRとの関連性について述べる。
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