産婦人科医療--明日への展開 卵巣がんの治療をめぐる諸問題
卵巣がんの自然史からみた治療方針の概要
山辺 徹
1
,
中島 久良
1
Tooru Yamabe
1
,
Hisayoshi Nakajima
1
1長崎大学医学部産婦人科学教室
pp.461-465
発行日 1983年7月10日
Published Date 1983/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206829
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卵巣腫瘍の日産婦分類(表1)における悪性群が卵巣がんとして扱われることになるが,このうち単純性原発癌は70〜80%(転移癌を除くと約90%)を占める。そのようなこともあって,普通,卵巣癌といえば単純性原発癌を意味する。転移癌は別として,卵巣に原発するがんでは,各腫瘍型によって発育態度にある程度の特異性はみられるが,基本的な蔓延形式はほぼ同様であると考えてよい。
治療に際しては,卵巣がんのclinical behaviorや蔓延形式などをよく心得ておくことが大切である。本稿では,単純性原発癌(卵巣癌)を中心に,そのために必要と思われる基本的事項とそれに伴う治療上の問題について概説する。
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