新しい視点をさぐる 診断のテクニック
子宮頸部の初期浸潤癌
山辺 徹
1
Tooru Yamabe
1
1長崎大学医学部産科婦人科学教室
pp.659-661
発行日 1978年9月10日
Published Date 1978/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205890
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現行の子宮頸癌臨床進行期分類は,1974年8月にFIGOの癌委員会から提示されたものであるが,日産婦子宮癌登録委員会ではこれに準拠してIa期を「組織学的に微小浸潤癌(初期間質内浸潤癌) microinvasive carcinoma (early stromal in—vasion)が確認されたもの」と定めている。したがって,一般に初期浸潤癌と呼ばれるものは,現行の国際分類においてはIa期に属する癌とみなすべきである。ところでFIGOの癌委員会ではIa期をとくにIb期と区別した理由として,微小浸潤癌は真の浸潤ではないので,むしろ0期に入れるべきとする意見のあること,したがって,治療統計上,確実な浸潤癌であるIb期とは別に取扱う必要があること,さらにIa期とIb期とは治療方針に差のあることをあげている。
本稿では与えられたテーマに従い,Ia期癌の臨床診断のための検査法とその診断基準について概説する。
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