明日への展開 ADVANCED TECHNOLOGY
IV.胎児・新生児
頸管留置カテーテルによる前期破水管理法
荻田 幸雄
1
,
今中 基晴
1
,
松本 雅彦
1
,
畠中 謙治
2
,
上田 亨
2
Sachio Ogita
1
,
Kenji Hatanaka
2
1大阪市立母子センター産婦人科
2大阪市立母子センター小児科
pp.349-354
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206985
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近年,産科学は長足の進歩を遂げたが,今日なお解決されるべき大きな課題の一つとして早産,特に前期破水(Premature rupture of membranes;PROM)の管理法が残されている。本症の取り扱いに関しては,古くから積極的娩出策および待期策があるが,前者は感染の危険に曝すよりむしろ早期の娩出を計り保育器で管理する方が良いとする主張であり,後者はできる限り胎児の成熟を待って娩出を計らんとするものである。これらの主張は最近の呼吸管理法の進歩と優れた抗生物質あるいは子宮収縮抑制剤の開発によりますます妥当性を増すばかりである。
しかしながら,ここ10年来,破水後16〜72時間経過すると呼吸窮迫症候群(Respiratory distress syndrome;RDS),動脈管開存(Patent ductus arteriosus;PDA)が有意に減少することが次々報告され1,2),それ以来,PROMの管理方針は待期策へと大きく傾いてきた。この待期策といえども種々の問題があり,その解決のために今なお精力的な努力が続けられている。
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