明日への展開 ADVANCED TECHNOLOGY
IV.胎児・新生児
呼吸管理
中島 健夫
1
,
小川 雄之亮
1
Takeo Nakajima
1
,
Yunosuke Ogawa
1
1名古屋市立大学医学部小児科学教室
pp.344-348
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206984
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新生児未熟児医療において,その呼吸管理は最も基本となるものである。近年新生児死亡率の低下は呼吸管理の進歩によるものといって過言ではない。呼吸管理は単に人工呼吸器を操作するものとは考えず,新生児未熟児に対して適切な酸素化をはかるすべての操作を含めたものと考えたい。このような立場にたつと,新生児の呼吸管理は気道確保や人工換気などの機械的管理と薬剤を用いた化学的管理の2つに大別される1)。
機械的呼吸管理は1971年Gregoryら2)が持続陽圧呼吸(Continuous Positive Airway Pressure:CPAP)を呼吸窮迫症候群(Respiratory Distress Syndrome:RDS)に導入したことで飛躍的に進歩した。それは同時に調節呼吸下で終末呼気に陽圧を加える終末呼気陽圧呼吸(Positive End-Expiratory Pressure:PEEP)をも生むことになった。これらは未熟肺において肺胞虚脱を防ぎ,機能的残気量(Functional Residual Capacity:FRC)を増加させて酸素化を改善するものである。また1972年Kirbyら3)は回路内に定常流をつくった人工呼吸器を開発し,間歇的強制換気(Intermittent Mandatory Ven—tilation:IMV)を導入した。
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