今月の臨床 新生児トラブルの初期対応—産科医へのアドバイス
呼吸の異常
2.陥没呼吸・鼻翼呼吸・呻吟,呼吸音の異常
中村 利彦
1
,
小川 雄之亮
1
1埼玉医科大学総合医療センター小児科
pp.276-281
発行日 1999年3月10日
Published Date 1999/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903564
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新生児は呼吸障害を呈することが実際きわめて多いことを,臨床に携わる産科医は痛感していると思われる.呼吸障害の症状は児により程度の差こそあれ,低酸素症の存在もしくはその危険のあることを示している.また,新生児は余力がないため,悪循環に陥りやすいので呼吸障害を認めた場合には,緊急処置を必要とすることが多い.ハイリスク妊娠においては,各地域において周産期センターを持つ中核病院への母体搬送が奨励されているので,一般病院および産科診療所においては,出生後初めて児の異常に気づかれる正期産児のケースが多くなっているものと思われる.しかし,分娩直後の状態で母体の処置を強いられるなか,産婦人科医が児の異常を観察し,適当な処置をすることは容易ではないことを耳にすることも少なくない.
そこで本稿では,上述の呼吸障害の内容において,産科医に対し新生児科医より希望することを中心に述べる.
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