今月の主題 周産期の臨床検査
新生児の病気と検査
呼吸窮迫症候群
小川 雄之亮
1
Yunosuke OGAWA
1
1埼玉医科大学総合医療センター小児科
pp.1097-1102
発行日 1988年10月15日
Published Date 1988/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913757
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呼吸窮迫症候群は早産未熟児にしばしばみられる予後不良の疾患で,胎便吸引症候群,新生児一過性多呼吸とともに新生児の三大呼吸器疾患の一つである.肺表面活性物質欠如がその病因であり,広範な無気肺とこれに伴う低酸素症の悪循環が病態の中心である.最近では肺表面活性物質を指標として,羊水を用いた出生前診断,気道吸引液や胃吸引液を用いた出生直後の診断が可能となってきており,また人工肺表面活性物質の経気道補充療法が臨床の実際に導入されている.グルココルチコイドによる胎児肺成熟化促進を図っての発症予防も行われており,現在もっとも脚光を浴びている疾患である.
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