産婦人科医療--明日への展開 周産期適応と性差
肺機能成熟と性差
小川 雄之亮
1
,
牧 紀衛
1
Yunosuke Ogawa
1
,
Noriei Maki
1
1名古屋市立大学医学部小児科学教室
pp.261-265
発行日 1983年4月10日
Published Date 1983/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206786
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胎児の諸臓器の成熟には種々の因子が関与していることが知られている。胎児の肺の成熟に関しても,動物実験や臨床観察から種々の促進因子や抑制因子が発見され1),出生後の呼吸窮迫症候群(respiratory distress syndrome;RDS)の発症予防の目的で,薬剤による胎児肺の成熟促進も行われている2)。
一方,胎児肺の成熟には人種差や性差のあることが最近明らかにされ,更には食事環境なども関与することが報告され注目されている3,4)。これらのうち,胎児肺の成熟に性差のある事実は,超音波断層法により胎児の性が比較的簡単に診断出来るようになっただけに,とくに注目を浴びている。
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