明日への展開 ADVANCED TECHNOLOGY
I.診断・検査技術
産科における感染症の早期診断
山本 皓一
1
Koichi Yamamoto
1
1東京警察病院産婦人科
pp.244-248
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206967
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感染症は臨床医学のすべての部門にわたる重要な疾患ないしは病態であり,抗菌剤開発の歴史が示すように,いつの時代でも常に,治療医学の大きなテーマの一つになっている。わが産科領域では,次節に示すような理由から,感染症のもつ意義と重要性はとりわけ大きい。妊娠中の感染症では,他の合併症と同様,治療に対する制約が大きいため,予防と並んで早期診断が重要であり,このため,新しい診断法の開発・導入や既存の診断技術の改善が絶えず行われている。その進歩のスピードは必ずしもMEなどのそれには及ばないにしても,めざましいものがあり,とりわけウイルス感染の領域で著しい。
本稿では依頼のあったテーマに従い診断法に限って概説するが,与えられた紙数の関係で感染症のすべてを網羅することはできず,実地臨床で特に重要なものに限った。産科感染症全般についての詳細は他の成書1〜7)を参照されたいが,ウイルス性疾患については日本母性保護医協会発行の研修ノート第19号3)に実に懇切に解説されており,必読の書である。
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