明日の展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 卵巣
Ⅱ腫瘍を中心に
Topics
ヌードマウス移植卵巣癌を用いた制癌剤スクリーニング
澤田 益臣
1
,
小杉 圭子
1
,
松井 義明
1
,
奥平 吉雄
1
Masumi Sawada
1
1大阪大学微生物病研究所臨床部門婦人科
pp.187-192
発行日 1984年3月10日
Published Date 1984/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206955
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卵巣癌は発見された時点で既に進行している状態のものが多く,その治療にあたり手術後の治療が重要とされている。近年の化学療法の進歩は卵巣癌の予後の改善に大きく寄与しており,中でもVogl1),Bruckner2),Briscoe3)らの報告以来cisplatinとadriamycinを中心とする多剤併用療法の制癌効果は多くの臨床医によって報告されてきた。しかしこれらのレジメによる化学療法にも反応しない症例があることに鑑み,著者らは卵巣癌の個別的化学療法を行うべくヌードマウスにヒト卵巣癌を移植しこれを用いて腫瘍性格の検討4,5),制癌剤スクリーニング6)等を行っている。今回は新たに樹立したヌードマウス移植腫瘍を用いて行った制癌剤スクリーニングの結果をdonor患者の治療に導入し成功した1例について報告すると共に,ヌードマウスを用いた制癌剤スクリーニングの問題点について述べる。
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