原著
Double trisomyの検討—最近経験した1例をもとに
本多 達雄
1
,
高内 則男
2
,
神田 敬子
2
,
竹内 正七
2
Tatsuo Honda
1
,
Norio Takauchi
2
1新潟大学医療技術短期大学部
2新潟大学産婦人科
pp.435-438
発行日 1983年6月10日
Published Date 1983/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206826
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ダウン症(以下D.S.と略)やKlinefelter症候群でのtrisomyの原因として不分離(nondisjunction)があげられている。同一家系内にD.S.やKlinefelter’s syn—drome (Kl.S.)が共存する傾向のあることも知られているが,その説明として「不分離傾向」の存在がしばしばひきあいに出される。すなわち,これらが偶然に発生したと考えた場合に較べて,極めて高い発生頻度を示すことから,「不分離が容易に生じ易い素因」の関与が推察され,主に遺伝的,体質的説明がなされているわけである。加うるに同一症例におけるD.S.とKl.S.との共存,いわゆるdouble trisomyの存在の報告があり,それ自体不分離がnon randomに生じている可能性をさらに強く示唆するものと受け取れるわけであるが,実際にはどうであろうか。
最近経験した48,XXY,+21/47,XY,+21のモザイク型double trisomyの1例から,その紹介もかねて上記について検討してみた。
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