産婦人科医療--明日への展開 ホルモンレセプター
レセプター--その基礎
ホルモンレセプターをめぐる問題
須川 佶
1
Tadashi Sugawa
1
1大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
pp.389-392
発行日 1983年6月10日
Published Date 1983/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206816
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長い進化の歴史を辿ってきた人類には,種属保存を目的とした生命維持と生殖の機構が分化確立し,身体構造的にもそれぞれの目的をもった各臓器が形成され機能の分担が行われるようになっている。こうした生体においては,必然的に臓器相互の機能的調和が要求され,そのCo-ordinatorとして神経性・内分泌性の調節機構が作動している。すなわち神経分泌も含め,広くホルモンと呼ばれる情報伝達物質が特定の部位で産生され,体液中を流れてそれぞれのターゲット(標的)に到達し,定まった型の効果として"ホルモン作用"を発現している。
1961年Jacob & Monod1)によりモデル化された遺伝子(DNA)における蛋白合成の制御機構に端を発した分子生物学は,機能の発現を特定分子の生成で説明しようとする発想を生み出し,ホルモン作用の研究も新しい方向へと展開されはじめた。
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