研究へのいざない・16
ホルモンレセプターアッセイ法
加藤 順三
1
,
荒井 清
1
,
冲永 荘一
1
,
太田 孝夫
1
Junzô Katô
1
1帝京大学医学部産科婦人科学教室
pp.207-211
発行日 1979年3月10日
Published Date 1979/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206015
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Ⅰ.Radioreceptor assay (RRA)の基本的原理1〜3)
微量の血中ホルモンの測定法として,蛋白とホルモンとの結合を利用したCPB (competitive pro—tein binding)法と,ホルモンの抗体を使ってこれとの反応を用いたRIA (radioimmunoassay)法があることは衆知のことである。そしていずれも競合抑制competitive inhibitionに基づく飽和解析saturation analysisで,原理的には同一である。Radioreceptor assay (RRA)は前者のCPBに属し,結合蛋白として,ホルモンの特異性(hormone specific),結合親和性が極めて高く(high affinity,解離定数Kd〜10−9〜10−10M),飽和量が低く(low capacity),いわゆるホルモン標的細胞に高濃度に存在する(target Iocalization) receptor蛋白を利用している。
いずれの場合もホルモンと特異的に結合する物質(蛋白ないし抗体でリアクターという)を緩衝液で稀釈して,ここに標準曲線を描くため一定量の純品,あるいは未知の検体を入れ,さらに放射能で標識した標準ホルモン(重量は無視できるぐらい少ないが,放射能は十分測定できるもの)を混入せしめて,一定時間,一定条件下でおたがいに反応させる(図1)。
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