産婦人科医療--明日への展開 周産期適応と性差
酸素中毒の防御機構と性差
吉岡 保
1
Tamotsu Yoshioka
1
1倉敷成人病センター
pp.275-279
発行日 1983年4月10日
Published Date 1983/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206789
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与えられたテーマは酸素中毒と性差ということであるが,酸素中毒とは聞きなれない言葉である。我々産婦人科医は分娩時には毎日多量の酸素を使用し,新生児仮死の予防を行っており,酸素に関する関心は特に強いものがある。また未熟児保育にあたっては,過酸素血症,過酸素症によって若起される病態の1つによく知られた未熟網膜症があり,その他Bronchopulmonary DysplasiaやPostsubcular Necrosisなども知られている。
酸素分圧が突然急激に上昇をきたすのは分娩時の新生児であり,出生した新生児が呼吸した酸素がどのような型で活性酸素になるのか,また発生する活性酸素の防御機構はどのようになっているのか,非常に興味深いところである。今回は主として新生児早期における酸素との関連について解説すると共に,歴史的な酸素と生体の結びつきについて述べる。表題の酸素中毒とは活性酸素による障害であると理解している。
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