特集 女児生殖器・会陰部関連疾患のすべて
卵巣広汎性浮腫(massive ovarian edema)
杉山 彰英
1,2
,
中村 友紀
1,2
,
宮嶋 康次郎
1,2
,
安藤 晋介
1,2
,
八木 勇磨
1,2
,
田中 拡
1,2
,
吉澤 穣治
2
,
渡井 有
2
Akihide Sugiyama
1,2
,
Yuki Nakamura
1,2
,
Kojiro Miyajima
1,2
,
Shinsuke Ando
1,2
,
Yuma Yagi
1,2
,
Hiromu Tanaka
1,2
,
Jyoji Yoshizawa
2
,
Yu Watarai
2
1昭和医科大学横浜市北部病院こどもセンター小児外科
2昭和医科大学医学部外科学講座小児外科学部門
pp.719-723
発行日 2025年7月25日
Published Date 2025/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001253
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はじめに
卵巣茎捻転は女児急性腹症の際,念頭に置くべき疾患の1つである1)。その多くは卵巣腫瘍などの器質的疾患を伴い,非腫瘍性卵巣茎捻転はまれである。卵巣広汎性浮腫massive ovarian edema(以下,MOE)は非腫瘍性に卵巣が腫大する病態で,若年女性に多く,まれであるが小児例も報告されている1,2)。本稿は術前の画像診断と病理組織所見からMOEと考えられた非腫瘍性小児卵巣茎捻転の1例を呈示するとともに,MOEについて解説する。

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