トピックス
子宮に存在するエラスチン(弾力線維)の意義
田部井 徹
1
1自衛隊中央病院産婦人科
pp.638
発行日 1982年8月10日
Published Date 1982/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206676
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ヒト子宮は,解剖学的な構造および生理的な機能相体部と頸部に大別される。子宮体部は,主として筋線維から成るが,頸部は筋線維がほとんどなく結合線維から構成されている。子宮体部に豊富に存在する筋線維は,線維成分であるエラスチン(弾力線維)とともに,妊娠による子宮腔の拡大にともなう子宮壁の伸展に関与する。一方,子宮頸部に存在する結合線維は,妊娠,分娩時における頸管の軟化あるいは熟化に関与する。
子宮頸部の主な結合組織は,線維成分のコラーゲン,レチクリン(細網線維)およびエラスチン,基質成分のプロテオグリカン(酸性グリコサミノグリカンであるヒアルロン酸など)および細胞成分の線維芽細胞,肥満細胞などから構成されている1)。
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