Fetal Monitoring講座 基礎から臨床応用へ
XIII.羊水情報(最終回)
久永 幸生
1,2
Sachio Hisanaga
1,2
1九州大学医療技術短期大学部
2九州大学医学部産婦人科
pp.825-828
発行日 1981年11月10日
Published Date 1981/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206520
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羊水によるfetal monitoringは胎児心拍数などと異なり,acute fetal distressのmonitoringとはなりえない。羊水成分の大部分(98〜99%)は水であるが,わずかに含まれる蛋白,炭水化物,脂質,無機塩類および細胞成分などの分析によって羊水中のある種の物質は胎児の状態を反映するindexとして臨床に応用されている。現在使用されている主要な羊水情報の臨床応用は,遺伝的ハイリスク妊娠の診断,Rh不適合の重症度の診断,胎児成熟度診断,奇形児妊娠の補助診断などである。羊水の多種類の物質が必ずしも羊水情報として臨床に応用されない主な理由は,その起源や羊水中出現径路,生理的役割りが現段階では必ずしも明らかでないものが多いためである。したがって,将来その役割りが明らかになるならば,重要な意義をもつようになる物質も多いと考えられる。そこで,現在羊水情報として臨床に応用されているもののほかにも,topicとなっているいくつかの物質を含めて述べることにする。
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