Japanese
English
展望 解剖
血管分布から見た視床下部下垂体系
Hypothalamo-hypophysial System from the Viewpoint of the Vascular Supply
和佐野 武雄
1
,
長谷川 一夫
1
Takeo Wasano
1
,
Kazuo Hasegawa
1
1九州大学医学部解剖学教室
1Department of Anatomy, Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.174-189
発行日 1956年12月1日
Published Date 1956/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901557
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I.まえがき
視床下部と下垂体は発生学や形態学の立場からはもとより,機能的に見ても緊密不可分の関係にあり,所謂視床下部下垂体系の名のもとに生体に於ける自律神経機能,内分泌,新陳代謝等の最高調節中枢として近来医学者の一つの重要な研究対象となつている。之に関する研究は広く基礎,臨床各方面に亘り,又問題を単に形態学方面のみに限局してみてもそこにはいろいろの研究分野があり,而もそれらの間には相互に深い関連があつて,その全貌をつかむことは容易ではない。然し我々の研究室では各種脊椎動物の中枢神経系の血管分布機構について研究を進めて居り,その一環として視床下部下垂体系についても種々興味ある知見を得ているので,主に血管分布の立場から視床下部と下垂体の間の形態学的な関連を比較解剖学的に述べ,併せてその機能的意義についても言及したいと思う。
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